新鳥蘇 現行曲 渤海楽 訓法 志牟止利曾〜しんとりそ〜
別字
舞楽 別名 納序曲。

舞楽図

高麗楽 四箇之大曲[しかのたいきょく]の一つで、我が国には嵯峨天皇(在位809〜823)の頃に高麗の笛師下春[しもはる]が伝えたといいます。

新鳥蘇の鳥蘇とは「烏蘇里」の誤伝といい、ウスリー(Ussuri)とは現在の中国東北部とロシア連邦沿海州との国境付近で古くは渤海国の地名でした。 この地より伝えられた新旧の曲をそれぞれ≪新鳥蘇≫≪古鳥蘇≫と誤ったといいます。
     〜大槻如電 著 舞樂圖説より〜

舞楽 新楽。大曲。右方舞。平舞。舞人6人または4人。番舞≪皇帝破陣楽≫春鶯囀≫≪蘇合香≫。
出時   のう じょ
・納序
序吹物。 古くは舞台の下で庭手[にわて]と称する舞がありました。
   こ たん
・古彈
亂聲物。
・初返様 序吹より四拍子。拍子六。
[間拍子][待拍子]
待拍子が過ぎてから舞人は登台して向立に立ち定まります。
古くは序吹のうちに登台して向立に立ち定まり、四拍子より正面向になり舞い始め、
間拍子で動きが遅くなり、待拍子では動きが止まるような舞振りがありました。
当曲舞
・二返様 四拍子。拍子五。
・三返様 四拍子。拍子四。 左巻正面向より加拍子になり舞い終わる。
  かんどう
・換頭
四拍子。拍子六。 一掾E二揶ネ外は降台し一掾E二揩ヘ後面向に跪き、下搏人が後参桴を楽屋より持参して上搏人に渡して降台します。
後参舞 ・連吹
    [三返様・換頭]

楽は拍節を緩やかにして奏し続けられる。
吹止句により終わる。
舞人は受け取った後参桴を持って後参舞[ごさんまい]を舞い、正面向に舞い終わります。
入時 (奏楽なし) 舞人は退出します。

装束 右方襲装束 諸肩袒。
めん
木製。小面。頭髪・眉毛・口鬚は黒漆書。唇は朱漆塗。人面。半月形の眉。
 む  し
牟子
べつかぶと
別甲
厚紙製。牡丹・唐草地紋の朱絹張。啄木平打紐で縁取。三山型。12個の穴+果紋。
 ご さん ばち
後参桴
木製。胡粉絵具塗。先端に白毛。
しゃく


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