靑海波

舞楽図

天竺にて婆羅門僧正がこれを聞いて伝え、漢の帝都がこれを見て舞曲に伝えたといいます。

もとは平調の楽であったが原曲は亡失したといいます。
仁明天皇(在位833～850)の勅により盤渉調に改められたといいます。

楽は和邇部大田麿[わにべのおおたまろ]あるいは常世乙魚[つねよのおとうお]あるいは大戸清上、舞は良峯安世、詠は小野篁[おののたかむら]が作るといいます。

靑海は中国西北地区の靑海省にある地名で、靑海破が靑海波なったといいます。
≪輪臺≫を序、この楽を破として連続して舞われます。

管絃

当曲	新楽。中曲。早八拍子。拍子十二。末四拍子加。渡物壱越調。平調。雙調。黄鐘調。下無調。

舞楽左方舞。平舞。舞人２人。答舞≪敷手≫。詠あり。

出時	・輪臺	四帖。吹流しで終わる。	≪輪臺≫の舞が終わらないうちに舞人は進出し、階下で≪輪臺≫の一﨟・二﨟と行違い登台し平立に立ち定まります。
当曲舞	・当曲	新楽。中曲。早八拍子。拍子十二。末四拍子加。三返。一帖～三帖。	略式の場合、二帖までで終わります。
	・詠
	・靑海波音取		以降、音取と吹渡は垣代楽人によって奏されます。
	・詠
	・唱歌
	・靑海波吹渡	早只拍子。
	・当曲	一返。四帖。
	・詠
	・靑海波音取
	・詠
	・唱歌
	・靑海波吹渡
	・当曲	一返。五帖。吹止句により終わる。
入時	・延輪臺	吹止句により終わる。	舞人は退出します。

装束別装束　片肩袒。

ほう袍	萌黄顕紋紗に六分波形の文様を重ねた地紋。千鳥の刺繍。
はん　ぴ半臂	萌黄地の綾錦に牡丹・唐草・五・花菱の織出。袖先と襟は紅地金襴に散雲の金箔通。裾は縹の平絹。
わすれお忘緒	半臂と共布。
したがさね下襲	両練紋固地綾織に桐・竹・唐草の地紋。立浪と霞の刺繍。袖先と襟は紅色繁菱紋固地綾織。身頃と裾は蘇芳地に桐竹紋の錦を啄木平打紐で縁取。
はかま袴	両練紋固地綾織に霰と八藤の地紋。紋と霰の刺繍。膝より下は紅地金襴の別布。
あかのおおくち赤大口	紅平絹。
きんたい金帯	革製。黒漆塗。本手に桐６個・竹４個、上手に桐・竹１個の毛彫の金具。紅組紐で締める。
ひら　お平緒	ドシ織で白と紫の淡染。千鳥と立浪の刺繍。
たれひら　お垂平緒	平緒と共布。五彩の房。
ふがけ踏懸	革製。唐打緒でつなぐ。表は金襴。裏は紅平絹。啄木平打紐で縁取。
しかい絲鞋	白絹糸。底に羊の柔革。中底に畳表。絹紐で締める。
べつかぶと別甲	鳳凰甲。和紙製。三色金襴張。啄木平打紐で縁取。千鳥に立浪と霞の丸金具。裏は紅絹。
た　ち太刀	衛府の太刀。鞘は千鳥と波文様の蒔絵と螺鈿。金具は枝菊の透彫。柄は白鮫皮。

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ほう袍	萌黄顕紋紗に六分波形の文様を重ねた地紋。千鳥の刺繍。
はん　ぴ半臂	萌黄地の綾錦に牡丹・唐草・五・花菱の織出。袖先と襟は紅地金襴に散雲の金箔通。裾は縹の平絹。
わすれお忘緒	半臂と共布。
したがさね下襲	両練紋固地綾織に桐・竹・唐草の地紋。立浪と霞の刺繍。袖先と襟は紅色繁菱紋固地綾織。身頃と裾は蘇芳地に桐竹紋の錦を啄木平打紐で縁取。
はかま袴	両練紋固地綾織に霰と八藤の地紋。紋と霰の刺繍。膝より下は紅地金襴の別布。
あかのおおくち赤大口	紅平絹。
きんたい金帯	革製。黒漆塗。本手に桐６個・竹４個、上手に桐・竹１個の毛彫の金具。紅組紐で締める。
ひら　お平緒	ドシ織で白と紫の淡染。千鳥と立浪の刺繍。
たれひら　お垂平緒	平緒と共布。五彩の房。
ふがけ踏懸	革製。唐打緒でつなぐ。表は金襴。裏は紅平絹。啄木平打紐で縁取。
しかい絲鞋	白絹糸。底に羊の柔革。中底に畳表。絹紐で締める。
べつかぶと別甲	鳳凰甲。和紙製。三色金襴張。啄木平打紐で縁取。千鳥に立浪と霞の丸金具。裏は紅絹。
た　ち太刀	衛府の太刀。鞘は千鳥と波文様の蒔絵と螺鈿。金具は枝菊の透彫。柄は白鮫皮。