げん  こう     はい  ぜつ
現行廃絶

現在演奏される雅楽の楽は例外を除き「明治撰定譜」によるもので、唐楽 103曲・高麗楽 32曲が含まれます。
撰定されなかったもの楽名を確認できるもの渡物を含めると400曲を超える曲が存在したようです。

※曲数は同曲の序破急や音取などはすべてをまとめて1曲とし、各調の調子や音取・亂聲等も含めています。


げん こう きょく
現行曲

明治撰定譜に収録されている楽舞で現在でも演奏可能な曲を言います。
しかし、中には「稀曲」といわれ めったに演奏されないものもあります。

凡例: ○舞があるもの △舞は伝承されているが舞わないもの ※渡物

唐楽六調子

高麗三調子

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めい  じ せん てい ふ
明治撰定譜

明治9年(1876)と21年(1888)にそれまで各楽家[がっけ]で継承してきた楽舞を取捨選択し統合した楽譜で、現在の演奏のレパートリーは例外を除いてすべてこれに基づいています。 21年には撰定曲があまりにも少なかったため追加撰定されました。

初心者に雅楽のどの曲も同じように聞こえるのは撰定時に節回しや舞手がパターン化されたためと言われます。
楽譜は西洋音楽でいうスコアの形態ではなく各楽器ごとのパート譜で、「仮名譜」と言われカタカナと漢字が黒字で表記され、横に太鼓の打たれる位置が朱書きされています。 現在使用されることのない楽琵琶と楽箏の高麗楽譜も収録されています。

撰定基準や撰者は不明です。

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えん がく
遠楽

明治撰定譜に収録されなかった楽舞で撰定の時期には演奏が可能だった曲を言います。
現在では復曲再演される以外は殆ど演奏が困難です。

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ぼう しつきょく
亡失曲

撰定の時期にすでに演奏が不可能だった曲を言います。
現在では楽名や内容の一部のみを古書で見ることしかできません。

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わたしもの
渡物

ひとつの調子から他の調子へ移調した曲のことを言います。弾物の使用される管絃にのみ存在します。

弾物は調子が変わると絃を調絃しなおさなければならないため、ひとつの演奏会において同じ調子の曲だけを演奏します。
そのため楽の少ない調子の曲目数を増やすために行われた手法で、通常西洋音楽における移調はその音階を平行移調するため旋律は変わりませんが、 雅楽の場合、それぞれの調子に独自の節回しがあるため、或いは篳篥の音域が狭いため旋律が変えられます。

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